ヴァンパイア†KISS
｢君、名前は？｣

親しみやすい笑顔で問いかける男性に自然とわたしも微笑みながら、わたしたちは話し始めた。

｢カレン。日本人よ。あなたも髪が黒いけど、日本人じゃないわね。瞳が青いし…｣

｢ああ。銀髪だったんだけどね。最近黒に染めたんだ。日本に行く機会ができたからね。黒髪も悪くないなと思ってさ｣

｢え？日本に行くの！？｣

｢ちょっと仕事でね。日本人の君にこうして出会えるなんて、なにか運命を感じるなぁ｣

男性はそう言うと青い瞳を細めて嬉しそうに微笑んだ。

｢僕はブルース。今夜サラに招待してもらえてついてるなぁ。そういえば日本人の女の子を紹介してくれると言ってたけど…｣

｢え！？サラがですか！？｣

｢うん。なんでも仮面舞踏会に出席していた銀髪の男性を探しているとか｣

なんてすごい偶然なの。

まさかサラが紹介してくれようとしていた人がこうしてわたしと知り合うなんて。

でも………。

そっか、やっぱりデュオじゃないんだ。

なんて、悲しくなって目を伏せた。

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