ヴァンパイア†KISS
「ぐ……まさか…!?」

ブルースは牙を零しながらわたしを見上げると、わたしの肩をもって引き寄せた。

「バイオレットの刻印……デュオ様……!!」

ブルースはわたしの首のキスマークに触れるとそうつぶやいた。

デュオ……様!?

「う……ぐ…あぁ!」

ブルースはさらに苦しそうに身悶えると、床に転がり冷や汗を流しながら頭を押さえ込む。

「デュオ様!申し訳ありません!ハ…ぁ…し、知らなかったのです…まさかデュオ様の獲物だったとは…!!」



「ブルース。二度とこの娘に触れるな」

デュオの声………!!

声はわたしの耳元で聞こえたかと思うと。

彼はわたしを後ろから強く抱きしめ、その美しく長い指でわたしの顎を絡めとった。

「ブルース。キスはこうするんだ」

その瞬間。

デュオはわたしの顎を斜め上へ向けさせると、漆黒の髪を流れるようにわたしの顔に落としながら、斜め上からその美しい顔を寄せる。

そして、その唇で全ての欲望を満たさんとするように、わたしの唇を塞ぐと。

さらに強引に顎を引き寄せ、彼の果実を淫らに突き出し、わたしの欲情を誘う。

「う……ハ…ァアん…」

ワルツがかすかに聞こえる夜のテラスは、


…………わたしの欲情で満たされた――。




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