君の隣。
陽夏side


思い返せば、
君と出会ったその日は、
最悪で最高だった。

はぁ。
ため息ばかりが溢れる。

息はまだわずかに白い。

私は、今までずっと部活動に力を入れてきた。
同級生の中で1番の実力だって先生は言う。それがとても嬉しかった。
2年生になると、キャプテンを任された。

なのに。

私は足を怪我して、キャプテンとしての初試合を降ろされた。

それがただただ悔しくて、ろくに歩けもしない足でフラフラと病室を抜け出した。たどり着いた場所は、病院の敷地内にある公園だった。

そこには、沢山の幼児がいて、わいわい騒ぐ中高生がいた。正直、誰がどこで何してようがどうでも良かったが、1人...ただ1人にだけは興味を持った。彼は、騒がしい公園へ続く道にあるベンチにゆったりと座っていた。近寄ってみると、黒髪が綺麗で、なんとも言えないくらいに整った顔をしていたものだから、つい見惚れてしまっていた。けれど、彼は私の視線に気づくこともなく、ただただ座っていた。

その日から、彼を眺めるのが私の日課になった。
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