君の隣。
私が今日、ここで彼に告白したのは、今日で病院を退院することになったから。私の家からここまではなかなかの距離があるので、ここに来ることはもうないかもしれないと、決意を固めた。
彼はとても驚いた顔をしていた。
「どう、かな。
無理なら無理で、きっぱり断って欲しい。遠慮はいらないよ。弱みばかり見せてきた私の、最初で最後のカッコつけたけじめ。」
「...ごめん。
それは、考えられない。
たとえ陽夏でも陽夏じゃなくても。」
「そ、っか。
こっちこそごめん。」
心が張り裂けそうだった。
たった数日の会話で、ここまで気持ちが膨れていたとは自分でもびっくりだ。
その後の重い沈黙を破ったのは、まぎれもない、君だった。
「...陽夏は以前、会話の中で、
『私、これでも結構モテるんだよ。学校のコンテストで入賞もしたんだ』って、言ったよね?」
「あぁ、言ったかも?」
「...もっとこっちにきて、顔に触れさせてもらっても?」
意味がわからなかった。
今さっきふったばかりの人の顔に触れる?何がしたいんだと疑問ばかりが浮かんでくるが、顔を近づけると、彼は目を伏せたまま私に触れてきた。