心拍数上昇中!!

いざ夏のモール対抗戦!

あっという間に例の行事の当日になって、心の準備より時の流れが早くて…正直、不安な気持ちでいっぱいだ。

会場は、近くにある県立体育館で貸しきってやるらしくて…駅を出てそのまま真っ直ぐ会場に向かった。

入り口近くに自販機があるからそこで待ち合わせしてるわけだけど…
思ったよりも人がたくさん居て、合流するのに苦労しそうだ。


「…みんなどこだろう…」
周りをキョロキョロ見渡しながら探すけど、なかなか見つからない。

おまけに今日に限って35度という地獄のような気温。見つける前に干からびそうだ…

「暑すぎて可笑しくなりそう…はぁ」

そんな事を呟いてると後ろから


「…ザッキーみっけ」と囁く声がした


「うわぁ!?ちょ、、」サッと後ろを振り向くとイタズラ顔をした黒のジャージ姿の朝野さんがいた。
「…おはようザッキー」

「お、おはようございます」戸惑いながらもそう言った。

「寝起きドッキリみたいだったでしょ?」

「なっ!?…っ…とととと、とりあえずみんなの所へ行きましょうよ!」と歩き始める私を見て


「おーーいどこに行くんだ?そっちじゃないぞ」
と楽しそうに後ろから朝野さんの声が聞こえる。

「……むぅ…」


むくれがちの私を見て笑いながら こっち と歩き始めた。

人がたくさん集まってる所の反対側の入り口付近に向かう確かにそこには、ポツンっと自販機があって数人がそこで固まるように話していた。


「あ…」


「ほらね?」そう言って朝野さんは、私を見てニッコリ笑った。

「………」



私たちに気づいたのか、佐藤さんが手を振りながら


「おーーい!遅いわよー、お二人さん」



「す、すいません、、」謝る私を見て


「いやー、ザッキーが迷子になってて」と話す朝野さん


「…ちょ!…あさ…あ、えーとヒデ」

「あ、今朝野さんって言うとしたね?これで10回言ったら……」とニコニコしながら言う


「!!…き、気を付けます」


私たちのやりとりを見て佐藤さんは


「なに?あんたたち急に仲良くなってどうしたのよ」


「あ、そう見えます?いやー嬉しいなぁ…」嬉しそうにニコニコしながらそう言う彼。今日は、またいつもにまして機嫌がいい

普段から楽しそうによく笑う人だけども


「……で、なんでヒデのことを朝野さんと10回言ったらダメなのよ?別にいいじゃない朝野さんって言っても」と佐藤さん

すると寂しそうに苦笑いしながら


「ザッキーだけなんで、僕のこと朝野さんと呼ぶの。それがなんか、距離を感じるので強制的に呼ばせるようにしてみました♪ちなみに、10回言ったら罰ゲームをすることにしてます」と楽しそうに笑う彼だが、言ってる事が怖い


この人、思った以上にSだ!!


「…強制的…ねぇ、別にいいんだけども…どうにも罰ゲームが気になるわね。まぁ、気軽にニックネーム呼び合う仲になってくれるとこっちも嬉しいわ」そう言って佐藤さんは、私に近づき


「…いい!なにか合ったらすぐに私に言うのよ!そしたら、私がヒデをシメとくから」と真顔で私を見て言った。

隣に居る朝野さんは、えーーー…と言ってるが佐藤さんはスルーをしてるのか反応しない


「…あ、…は…はい」


「よろしい!じゃあ、全員揃った所だし…行くわよ!」そう言って体育館へと歩き出した。


ちょっとした雑談のおかげか、気づいたらもうさっきまでの緊張は、無くなっていた。
< 22 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop