三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ零



親父は興味津々な様子で
オーナーの顔を覗き込んで聞く。

オーナーが親父の頬を撫でながら


「小春はリリーの教育役だもの、
いろいろ口うるさいのよ」


と静かに答える。

俺はその様子を直視出来ず
顔を背けた。


「じゃあ、
リリーちゃんについて少し
教えてくれるかい?」


親父が新たに聞いた。

リリーはソファに足を組んで座り
煙草をふかしている。


「うちの子のことは
あんまり外部の人には
話せないんだけど……」


オーナーが少し真剣な声で言う。


「でも、湊は信頼できるから
特別に教えてあげる。
他言無用よ?」

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