危険な愛に侵されて。



委員会やクラスの会話にも積極的に参加し、少しのきっかけで話すようになった子ともすぐ友達関係へと持っていく。

連絡先を交換し、何回か遊びに行くのだ。


そのため1年の時に同じクラスだった人たちとはみんなすれ違うたびに挨拶をし、たまに遊ぶ仲でもある。

人脈がある方が有利なことも多いから。



「静音ちゃん、ついに今日だね!」
「え、今日…?」

「あっ、また忘れてる。今日は転校生が来るんだよ」

「……はっ!すっかり忘れてた!イケメンなんだよね!?」


忘れていたのは本当だったけれど、わざと食いついたフリを見せる。

明るく元気な女子高生である今の私は、イケメンに目がない残念系女子でもあるのだ。


「うん!担任の先生に聞いた子がいるんだけどね、間違いないって!」

「待って超嬉しい…!私と恋愛してくれないかなぁ」
「静音ちゃん、かわいいからできるよ!」

「かわいいのは鈴のことだよこの野郎〜!」


思い切って鈴の頭を撫でてやると、楽しそうな顔をしつつも言葉では嫌がる彼女。


「わわ、髪がぼさぼさになるよ!」
「私を見下した罰だ!」

なんて冗談を言って、今日もまた騒ぐ。
周りからは笑われるけれど、これでいいのだ。

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