危険な愛に侵されて。



「そんな危ないところなんて行かない」
「絶対に涼雅のほうが危ないだろ」

「……まあ、それは一理あるかもしれないけど」
「おい、認めるな」
「いたっ」


祐樹の言葉に頷けば、雪夜に突っ込まれてしまう。

頭を軽くはたかれ、睨まれたのだ。
反射的に痛いと言って私も雪夜を睨み返す。


「事実でしょ」
「昨日は“もっと”って求めてきたくせに」

「言わないで!」


祐樹がいる前でそんなこと言って。
絶対わざとだ。


「……やっぱ涼雅にはもう手出されてたのか」
「前々から出してる。こいつは俺のもんなんで」

雪夜は私の肩に手をまわし、グッと自分の元へ引き寄せてきた。


必然的に密着状態になり、ドキッとしてしまう。


「こんなところで何してっ…」
「ちゃんと俺のもんだって言っとかねぇと」

「今言うことじゃないでしょ!」


何ムキになってるんだこいつは。
ここまでする必要はないだろう。

限度というものがある。

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