危険な愛に侵されて。



今度は祐樹のほうを向くけれど。
目が合うなり気まずそうに逸らされた。


何それ、何その反応。

今の反応を見る限り、私の知らない“何か”を祐樹は知っている。



「ねぇ祐樹…」

「もうすぐ冬休みだよな!
あー、楽しみ!涼雅は何か予定いれてんの?」

「別に、特には」
「なら一回ぐらい遊ぼうぜ!」

「ああ、いいかもな。
御園抜きで会うのも、たまには」


いきなり不自然な会話に変わる。

雪夜と祐樹、ふたりは遊ぶ仲というのは考えにくいというのに。


きっとふたりは何かを隠している。
私に知られないようにしているのだ。

ただボロが出ているため、隠しきれていない。


そのため───


「…………」

自分の中でも薄々気づいているくせに、些細なことを言い訳にして私は頭の中で否定しているんだ。

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