危険な愛に侵されて。
*
今日の私は一段とガキのようで。
放課後になり、雪夜と帰る時も拗ねていた私。
「御園」
「…………」
「いい加減機嫌直せよ」
「…………」
ここまでいくと素直になるタイミングが掴めず、ムキになった私はそっぽを向く。
「何もそんな怒ることないだろ。
どうしたら機嫌良くなるんだ?」
「……知らない」
そんなの自分でもわからない。
「じゃあ息抜きにどっか行こうぜ」
「なんで今から?帰る」
私が狙われてるかもしれないというのに。
「いいだろ、制服デート。
学生らしいことするぞ」
「しない。私が狙われてるって雪夜が言ったのに。
それとも本当は狙われてないの?それなら家帰る」
なんて言いつつ、本気ではない。
まだしばらくは雪夜の家にいたい、だなんて思ってしまう。
ひとりの家は静かで寂しく、余計なことまで考えてしまうのだ。
『お前の隣は落ち着く』と雪夜は言ったけれど私だってそうだ。
雪夜の隣だと気楽に過ごせる。