危険な愛に侵されて。
「狙われてねぇって言いたいところだが…お前、今までどれだけの男とやってきたんだよまじで」
けれど雪夜はため息をつくなり呆れたような表情をしてきた。
なんとも言えない反応だ。
「何よ今更。そんなの覚えてないってば」
いちいち覚えていると記憶に残ってしまい、苦しい思いをするのは自分のほうだ。
「お前恨んでる男、結構いるんだけど」
「は…」
「聞けばほとんどの男が“タラシ女、情報だけ奪って気づけば逃げてる”って怒鳴り散らしてたぞ」
「……っ、知らない」
そんなの騙されるほうが悪いではないか。
「それに、ちゃんと報酬は払ってるし」
「報酬?」
「奉仕って言えばわかる?体で」
「…………」
自分で言っていて悲しくなるけれど。
もう雪夜にすべてバレているのだから仕方がない。
「お前、今日の夜は寝れないと思っとけよ」
「は?なんで」
「ムカつくようなこと言いやがって、絶対にめちゃくちゃしてやるからな」
「……なっ」
さっきまで呆れていた雪夜が、いつの間にか嫉妬で不機嫌な姿へと変わっている。