危険な愛に侵されて。
*
「はぁ?わかった、すぐ向かう」
猫カフェを出て、次はご飯を食べに行くことになったけれど。
その途中に雪夜のスマホが鳴り、どうやら電話がきたらしかった。
少し不機嫌な様子で電話を終えた雪夜はスマホを操作したかと思うと、今度は別の人間に電話をかけ始める。
「……宮木。悪いけど今から迎えにきて御園を家まで届けてほしい」
雪夜の言葉を聞いて嫌な予感がした。
家まで届けられるのは私だけ───?
すぐに電話は終え、雪夜は私のほうを向いた。
その表情に焦りなどはなく、ただ不服そうに。
「悪い、任務入ったから先に家まで戻っといてくれ」
「……任務?」
「ああ。俺から誘ってのに悪いな」
そう言って雪夜は私の頭をわしゃわしゃ撫でてくるから、慌ててその手を払いのける。
「ボサボサになるから…っ!」
「厳しいやつだな」
「というか任務なら行かなくていいの?」
「宮木が迎えに来たら行く」
「そんな…大丈夫だよ私は」
「バカか。ひとりにさせねぇよ」
こういうところは律儀というか、手を抜かない彼。