危険な愛に侵されて。



そしていつものように神田組の本部である家に着くと、中へと入る私。

けれど今日、隣には雪夜がいない代わりに宮木さんがいた。


「……すいません、迷惑かけてしまって…」

「いいえ、お気になさらないでください。それより御園様、本日はこの後予定がありますでしょうか?」

「今日、ですか…」


目上の人に敬語を使われるのは違和感があるけれど、宮木さんはまったく気にしていない様子。

こんな私にまで敬語を使わせてしまって申し訳ないなと思いながらも質問に答えた。


「何もないです」
「そうですか。良かったです」

何もないと答えると、安心したように笑う宮木さん。
その様子を見て思わず私からも質問してしまう。


「今日、何かあるのですか?」

「はい。実は、雪夜様のお父様が御園様と話したいと言っておりまして…」

「雪夜の、お父さんですか…?どうして…」

「私も詳しくは聞いておりませんのでお答えにくいのですが、着替えを済ませ次第居間に来ていただいてもよろしいでしょうか?」


予定がないと言った手前、断るのは難しい。

それに雪夜のお父さんとなれば、彼の過去を聞けるのではないかと思い私は首を縦に頷いた。

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