危険な愛に侵されて。



「でも誤解だったようだね。危うく息子が死ぬところだったなんて…誤解が解けてよかったよ」


軽い調子で話し、笑っている俊二さんだったけれど。
笑いごとではない。


「……御園さん、顔色悪いけど大丈夫?」



私の異変に気付いた俊二さんが心配そうな表情へと変わり、慌てて首を横に振る。



「だ、大丈夫です……すみません」

「そんなことで謝らなくていいよ。それよりも、昔と同じように涼雅といてくれてありがとう」

「……っ」


きっと俊二さんは私がすべて知っていると思っているのだろう。

昔のことに触れてくるけれど、私は何も知らない。



「涼雅、昔と全然違うだろ?
本当に“あのこと”があって以来変わってしまって…」

「あ、あの!」


少し緊張しながらも、俊二さんの話を遮る私。



「ん?どうしたのかな?」

何も知らないであろう俊二さんに対し、私は素直に話すことにした。


「えっと、雪夜が……“すずくん”何ですか?」


この呼び方を俊二さんが知っているかわからないけれど、恐る恐る聞いてみる。

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