危険な愛に侵されて。

その後すぐふたりを包んだのは気まずい沈黙。
俊二さんは少しの間フリーズしたかと思えば───



「ほんっとうにすまん！
今の話はどうか忘れてくれ！！」

突然頭を下げてきた。


頭の回転が速いのだろう、すぐに私の言葉の意味を理解したようだ。



「えっ、と…」

「いや違うな、涼雅には黙っていてくれ！
え、本当に涼雅から何も聞いてない？」


コクリと一度、素直に頷くと俊二さんは『やらかした』とでも言いたげな顔をした。


なんというか、天然？
抜けているのだろうか。

正直、雪夜と重なる部分があまりない。


「そうか……いや、逆に知ってもらうチャンスなのか？」

「え…」

「確かにびっくりするぐらい変わったから気づかなくて当然だよな。

それにしても言ってないで付き合ってるとか、あいつは何考えて……」


今度はブツブツとひとり言のように呟き始める俊二さん。

少しキャラが濃いなと思いつつ、大人しく俊二さんが落ち着くのを待った。