危険な愛に侵されて。
「いえ、神田組に迷惑をかけるわけには…」
「俺と涼雅がそうしたいんだ」
「え…」
「君の力になりたい。罪のない人間に手をかける犯人を、必ず見つけて捕らえるよ」
力強くまっすぐな眼差し。
ひとりでは何もできないとわかっていた。
秋崎さんの力がないと、自分が無能であるということを。
けれど、どこか過信している自分がいたのかもしれない───
「今、涼雅は犯人の行方を追っている。
あそこまで必死になるのも驚きだな」
どこか嬉しそうな表情。
コロコロ変わる俊二さんの表情は、雪夜と重なる部分が多い。
「どうして、そこまで…」
そこまでしてくれるのだろう。
私は雪夜に何かした覚えなどない。
むしろ殺そうとしたぐらいだ。
「言っただろう?涼雅の中で君の存在は大きい。
何よりあの頃の涼雅は何度も君に救われていたんだ」
俊二さんはそう言って、穏やかな笑みを浮かべた。