危険な愛に侵されて。



それほどに嫉妬心が勝っているのか。
そう考えると思わず笑みが零れ落ちてしまった。

自分の立場くらい考えてほしい。


「何よそんな馬鹿にしたように笑って…!」
「色目使ったくせに!」


ただ笑っただけなのに、相手はムキになって声のボリュームを上げてきた。

それだと余計注目されて悪循環だというのに。


「本当にやることが子供なんですね」


私より年上の人たちが必死になって。
ただ怒りを言葉でぶつけてきて。



「何ですって!あんたなんか…」



「本当に色目を使ったのだとお思いなら、皆様も試してみてはどうですか?

きっと色目を使っても涼雅さんを落とせないでしょうね。涼雅さんだけでなく、他の男性だって。

こんな陰口という幼稚なことしかできないのだから」


あくまで落ち着いた様子で。
静かに言葉を返す。

たっだそれだけのことだったけれど、女たちが黙り込むのに時間はかからなかった。


所詮こんなもの。
少し冷静に返せばすぐ黙る。

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