危険な愛に侵されて。
「早く終わらせてぇな」
「……え?」
「こんな弱い自分と早く別れたい」
自分で“弱い”と言う涼雅に対し、思わず笑みがこぼれてしまった。
「何言ってんの。
あんたは弱くないよ」
「どうだろうな。あんな泣いたし」
「我慢してたんだから仕方ないんじゃない?」
私だって泣いた、涼雅の前で。
“純粋な心を捨てた”と思っておきながら、実は苦しくて我慢できずに。
その本音を彼が引き出してくれたのだけれど。
「男が泣くのはダセェだろ」
「……私は本音見せてくれて嬉しかったけどな」
「俺が嫌なんだよ」
「ふーん、わがままね」
今になってようやく起き上がる力を取り戻し、ベッドから降りる私。
まずは制服を着替えるため、服を持ち空き部屋に行こうと思った。
その時にスカートのポケット内でスマホが振動していることに気づき、なんとなく画面を見た───
けれど。
「……っ!?」
思わず目を見張った。
そして慌ててポケットにスマホを戻す。