恋の掟
結局、誕生日の夜に孝雄から連絡はなかった。

馬鹿にしてる。

あたしをなんだと思ってるの?

翌朝、慌ただしく出勤準備してたら着信音が…。

『昨夜は、ゴメン。急な飲み会が入っちゃって。この埋め合わせは、するから。』

はぁ?

おめでとうの一言もないのかいっ

三十路の誕生日は、めでたくないって?

埋め合わせって、何してくれるの?

HERMESのバッグでも買ってくれる?

君の安月給じゃ、無理でしょーが…。

ちょっと頭きて、私はバス停に向かった。

返信は、まだしてやらないんだから!

二番目の交差点だった。

周囲をろくに確かめることなく、小走りで渡った私のめの前に…。
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