運命の恋~もしもあの時・・~
「すいません、香織さんは馴れ馴れしかったですね。つい、いつも田邉さんから香織が、香織がって聞いていたものですから。」

「おい、香織にさわるな!そして菊池って呼ぶなよ。」

無理やり田邉さんが握手の手をはずす。

「こいつは最近まで海外を飛び回って扱う商品を探してたってやつだよ。普段はちょくちょく帰ってくるのに今回は長かったなぁ?」

「はい、3か月半ほど行きっぱなしでした。いい匂いですね、お腹すくなぁ。」

夏川さんはイタズラっぽく笑いながら私と田邉さんの顔を交互に見ていた。

「仕方がない、夏川にも香織が作った料理食べさせてやる!和食が恋しいだろうしな。しっかり食えよ。」

さっきの泣きながら懇願していた様子を微塵にも感じさせない田邉さんを見てホッとする。
そういえば夏川さんってご飯もあまり食べれてないって言ってたな。
でも元気そうで安心した。

「香織さん、ご馳走になります」

夏川さんは爽やかに言うとテキパキと食事の準備をし始めた。
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