運命の恋~もしもあの時・・~
同性だってことが嫌で?あれ?
もしかして…田邉さんの相手って夏川さん?
それならこの家で田邉さんより夏川さんが勝手を知ってたのも納得がいく。
田邉さんはこの家での記憶がないから…

「夏川ごめん…よくわからない…落ちつい、」

「千秋だよ!千秋!そう呼んでたじゃないか。弘人、思い出してよ!お願いだよ。」

やっぱりそうか…
田邉さんに付き合ってたりとかそういう相手いないのかなって思ってたけど一途に私へ好意を向けてくるし誰も何も言わなかったから何となく自分の中でいないって決めつけてた。
帰ろう!私はここにいちゃダメだ!

戸惑っている田邉さんに縋るように話をしている夏川さん。
二人の邪魔をしてはいけないと思いそろっと帰ろうとした。

「待って、待って、そうだな、香織は帰った方がいいよな。夏川、ちゃんと話するからここで待ってて。送ってくる。」

えっ?今?私を?夏川さんを置いて?

「ううん、私ひとりで帰れるから夏川さんと話をしないと。夏川さんを置いて行くのはひどいわ。ね、田邉さんお願い。」

そう言って私は田邉さんのマンションからひとりで帰った。
< 119 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop