運命の恋~もしもあの時・・~
確かに…呼べばいいのはわかっていたけど…
何だかんだって忙しそうだし…
少しいじけて窓の外を観ると遠くで海がちらちら見える

「でももう恋人がいるってわかったので気軽に行ったりしません。夏川さんの気持ちを考えると…」

また気分が少し落ちてしまう。

「夏川と田邉は同じなんだよ。ある日突然愛する人から忘れられちゃったんだ。本当に田邉においては意味がわからないけどね…。夏川はたまたま海外に行っててね俺が電話で話をしたんだ。かなりショックを受けてたよ。」

「そうですよね…」

車はどんどん海に近づいて行っている。
晴れていて水面がキラキラして見え始めた。

「それから顔を合わせないように海外に滞在させてた。まさかこんなに長くこの状況が続くと思ってなかったからね。きっと頭でも打ったんだって思ったし。それから香織ちゃんに会ってからは田邉が仕事の電話の時でも夏川に香織ちゃんの話をしていたよ。ちょうどこの前香織ちゃんとご飯行った直後ボロボロになった夏川から電話があってね、仕事もやめて海外を放浪するって言い出したんだ…慌てて夏川のところに飛んだよ。」
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