運命の恋~もしもあの時・・~
「稗田さんってさらっとなんでもするからついほだされちゃう。今までこんな風に女の子をたぶらかしてきたんですね!」

「たぶらかすなんて失礼な!そりゃお付き合いしてる女の子や狙っている女の子には全力でカッコつけるよ。」

稗田さんはそう言ってニィって笑う。
それを見てつい声を出して笑ってしまう。

「そうやって何人を虜にしてきたのか…すごいモテたでしょ?」

「う~ん、それなりに好意をよせてくれる子はいたけど皆を好きになれる訳じゃないし、自分が好きになった人に好意を持ってもらえなかったら意味がないからね。」

若い頃もチャラチャラしてたわけじゃないんだ!

「否定しないところが嫌味ですよね。フフッ」

砂浜を年甲斐もなく冗談を言いつつ笑い合って歩いた。

「靴の中砂だらけになったね。そろそろ車に戻ろう。」

「そうですね。靴の中最悪ですよ。フフッ。」

何を話しても楽しくてたまらなかった。
車に戻るとシートに座って二人で靴の中の砂を払った。
そこでもどちらの靴の中に多く砂が入っていたかで盛りあがるほどはしゃいでた。
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