運命の恋~もしもあの時・・~
そう言ってスピードをあげて車を走らせた。
それから稗田さんの家に着くまで一言も話さなかった。
きっと稗田さんのマンションなんだろう駐車場に車を停めてため息をつかれた。

「本当に君って人の気も知らずに…」

いつもと違う少し熱を持った目でこちらを見る。
車から降りて助手席側に回ってくるとドアを開けてくれて手を差し出される。

「さぁ、おいで。」

私は頷いて手を取った。
今からする事を思うと緊張のあまり声が出ない…

手を引かれ稗田さんの部屋まで行き、ドアを開けて中に入る…
心臓が有り得ない速さで打っている。
リビングに入り、広いなぁとか意外と服などがソファにかけっぱなしなってるなとかやっぱり小物が多いんだなとか思っていたら稗田さんから抱きしめられた。

旦那とも田邉さんともまた違うけど肩幅は思ったより広くてがっしりしていた。
そしてキスされる。何度も…
そのうち稗田さんが私の唇を舐め、次第にキスは深くなっていく。
何故だろう涙が出て止まらない。
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