運命の恋~もしもあの時・・~
「あ、ごめんなさい。つい…弘人、あの田邉さんが香織さんのこと自分の奥さんだって言うから焦っちゃって…香織さんは旦那さんもお子さんもいるから迷惑でしたよね、本当にごめんなさい。」

「いえ、こちらこそムキになってごめんなさい。」

そうだよね。田邉さんが今好意を向けてるのは私で、でも夏川さんの恋人でって…

「え~。でも俺は本気なんだけどなぁ~。この前のことも。」

えっ?

「この前のことってなんですか?」

夏川さんは少し驚いた顔して稗田さんを見ている。

「ひ・み・つ。」

「そのキャラ本当にキモいっすよ。それにかなり怪しい…」

そんな言い合いをしてくれるから暗くならずに済んだ。
稗田さんって上手いなぁ。

定食屋さんに着くと、この前より時間が遅かったから少し並んだ。
確かに美味しいからみんな並んででも食べるんだ。

「僕、海外から帰ってきたらここにくるんですよ。やっぱり日本食は旨いっス。」

「へぇ~、また海外に行かれてたんですね!」

夏川さんは海外への買い付けや交渉担当って言ってたけどそんなに度々行くんだ。
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