運命の恋~もしもあの時・・~
お風呂で一人になりふと稗田さんの昨日の顔を思い出す。
私はまだ稗田さんに連絡していなかった。
連絡は要らないって言われたのになんて連絡していいかわからなかった。

私って矛盾してる。
離婚への葛藤をしてる反面、稗田さんへの想いも膨らんでいる。

お風呂からあがると2人の姿が見当たらなかった。
どうしたのかと寝室を覗くと旦那が娘に布団を掛けてあげていた。
私に気づくと足音をさせないようにゆっくりリビングに出てきた。

「宿題が終わってソファで話をしていたらいつの間にか眠ってしまったんだよ。トイレ行ってないけど大丈夫かな?」

「ありがとう。宿題の前にトイレ行ってたし、起こすのは可哀想だからこのまま寝かせてあげましょう。」

私はコーヒーを淹れリビングへ持って行く。

「ありがとう。きっとこういうことをしてこなかったからダメだったんだろうな。失って初めて気づいたよ。今まで家のことも香澄のことも全部ありがとう。そしてとんでもない裏切りをしていたのに香澄のパパでいさせてくれてありがとう。」
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