運命の恋~もしもあの時・・~
「うわぁ、ママ、オレンジ色になってるね~!」

私と娘は後部座席に座っており娘は窓の外を見て興奮していた。

「そうだね~。キレイだね。」

涙を堪えるのに必死でそう答えるのがやっとだった。
会いたいな。でも会ってどうする?
離婚したことは田邉さんに伝えるつもりはなく、だから稗田さんや夏川くんにも伝えるつもりはなかった。
心に決着を付けたつもりだったのにすぐに揺れ始める…
強くならなきや。

その夜は先にご飯を食べ、観覧車に乗る頃には海は暗くてあまり見えなかったけど反対側の夜景がキレイだった。
娘は観覧車の一番高い所に着くとすごく興奮しておりよくしゃべっていた。

「香澄、新しい家はどう?もう慣れた?」

「うん!私の部屋ね、ピンクにしたの。机がピンクだったでしょ?だからカーテンも下に敷くのも。」

自分の部屋なんてまだ全然活用できてなくてほとんどリビングで過ごすけどやっぱり嬉しいんだろうなぁ。

すごく興奮していたからか帰りの車の中でぐっすりと寝てしまった。
マンションに着いても起きず、パパに抱っこしてもらい寝室まで運んでもらった。

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