運命の恋～もしもあの時・・～
「香澄の部屋覗いていい？」

「うん、ピンク自慢してたものね。でも部屋にこもることはないのよ。可笑しいわよね。コーヒー飲む？」

つい癖でいつものようにコーヒーを勧めてしまった。

「いや、車下に停めてるしすぐ帰るよ。」

そう言うと娘の部屋を覗くとすぐに帰って行った。
やはり当たり前のように一緒に暮らしていたのに別々の家に帰るって寂しい。
早く慣れないとなぁ。

娘は寝ちゃったからシャワーだけ浴びた。
娘が目を覚ましたら泣いてしまうんじゃないかと心配で急いで体を洗った。
11月になるとやはり寒くなり、サッとシャワーだけは正直厳しかった。
ホットコーヒーを淹れ飲もうとしたとき、スマホの着信ランプに気づいた。
有希かな？パパかな？と思い見てみると稗田さんからの着信だった。

えっ？こんな時間に？
自分の胸が高鳴るのがわかる。少し手が震えつつ、急いでかけ直した。

『すいません、香織さん。夏川です。』

「えっ？あれ？私稗田さんにかけたつもりだった…ごめん。」

夏川くんが電話に出るからてっきり間違えてかけてしまったかと思った。
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