運命の恋~もしもあの時・・~
あんなに田邉さんが不機嫌だなんて驚いた。
よっぽど揉めたのかな?
私は夏川くんの言うとおり、稗田さんの話題は出さないことにした。
不機嫌そうなのもあえて触れないでおこう。

「やっぱりここのゴボウ天って私が好きなの?」

田邉さんの中での私について聞いてみた。

「あぁ、ゴボウ天がうちわのように広げて揚げられてるよ。うどんと言えばゴボウ天だったからな。」

「確かに、うどんと言えばゴボウ天よね。フフッ。」

「え~、何ですかその当たり前みたいな…うどんと言えば肉うどんですよ!田邉さんも肉じゃないんですか?」

あっ、つい…いつもの調子で話してしまった…
しかも夏川くん、田邉さんの前では名前で呼んでないんだ…
気軽に3人でなんて言っちゃったけど気まずかったかなぁ。
夏川くんとしては決していい気分ではないよね…

「俺は肉だけどな。」

そんな事を言いながら店員さんを呼んで注文していた。
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