運命の恋~もしもあの時・・~
「わ、私も、出来にくくて…結婚前から指摘されてたんです。欲しいときはすぐにホルモン治療をしましょうって。結婚するまでは婦人科系に良いお茶とかサプリメントを飲んでて、結婚してすぐにホルモン治療しました。2年くらい、それで授かったんです…」

田邉さんの言う香織と私は似ている。
でもどうして?
新手の詐欺にしては私のこと調べられすぎてる…
ほくろの位置も…

「そっか…くそっ!何なんだ!どうなってる?俺と結婚してたのに…幸せだったのに…」

静かに聞いていた稗田さんが田邉さんの肩に手を置く。

「落ち着け、無理だろうがとりあえず受け入れるしかない。」

田邉さんには恋人とかいないのかな?
いたら稗田さんが知ってるのかな?

「先輩、先輩はじゃあどうやって里菜ちゃんと出会ったんですか?」

田邉さんは稗田さんにしがみつき泣きそうな顔をしている。

「え?里菜ちゃんって誰?俺は知らないけど?」

「え、え?先輩まさか…結婚、して、ない?」

かなり驚いている様子だ。

「あ、あぁ。一度も結婚はしたことない。たぶん知り合いにも里菜ちゃんって子はいないかな?」

稗田さんの顔が引きつっている…
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