運命の恋~もしもあの時・・~
「フフッ、香織ちゃん可愛い。」

「もう、からかわないで下さい。」

私は拳で軽く胸を何度か叩き抵抗した。
そんな私を見てやっぱり笑っていた。

「夜中いなくなるんだもん。こっそり帰るつもりかと思って焦ったよ…。ダメだよ。もう逃がさないっていったよね?」

「逃げませんよ。私だって、稗田さんのこと逃がしませんよ、フフッ。でも、嫌になったら言って下さいね。稗田さんモテるから結婚して子供を持つっていう未来もあるし。里菜ちゃんとか?」

稗田さんは笑ってたのにいきなり苦しいくらい力を込めて抱きしめる。
ネガティブ発言ばかりの私に怒ったかな?
正直不安ばかりがあって自信がない…
だからこそはじめに話しておいた方がいいはず。

「はぁ、君って本当に人の気も知らないで…どれだけ香織ちゃん、君を欲しかったか、どれだけご主人を羨んだか…左手の指輪、よく見てた。どれだけ外して俺との指輪に変えたかったか…」

そう言って私の左手を取り薬指にキスをする。
何をしても稗田さんはかっこいい。
そんな彼が私を好きだなんて…何度考えても夢みたいだ。
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