運命の恋~もしもあの時・・~
私は稗田さんに力いっぱい抱きついて泣いた。
そんな私を抱きしめ返して頭を撫でてくれた。

「香織ちゃんの不安なことは溜めずに言って、その都度解決していこう。俺も納得出来ないことや知りたいことは聞くし不安なとこは不安だって言うよ。」

稗田さんは私の顔を上に向かせておでこにキスしてくれた。

「ヘヘッありがとう。そうだ、少し時間があるならコーヒー飲んで行きませんか?」

「うん、香澄ちゃんが大丈夫ならお邪魔するよ。」

さすがに玄関での立ち話は寒くて熱いコーヒーがおいしかった。

「今日ね、あれから娘の希望でパパも誘ってご飯を食べに行ったの。有希の家族と遊園地に行ってたから家族が恋しくなったみたいで…。あの子もいろいろ平気そうにしてくれてるけど我慢もしてるし頑張ってくれてるんだと思う。そんな時に稗田さんを紹介するときっとあの子は仲良くしないとって頑張ってくれるんだと思う。そして私たちに遠慮してパパに会いたいって言えなくなったり、何か我慢してることが増えるかもしれないって思うの。だから今の生活が当たり前になって、私を通さずにパパに連絡出来たり会いに行けるようになったらその時は稗田さんのこと紹介させてほしいとも思ってる。」
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