運命の恋~もしもあの時・・~
「香織、もう旦那と別れろよ。俺が養っていくし、子供も一緒に育てる。先輩なんか見ずに俺を見てくれよ。」

「えっ、なんでそんなこと言い出すのよ。まず夏川くんはどうするの?もしある日突然元に戻ったら?しかも私稗田さんのこと何とも…」

「思ってるよ。好きだって顔に書いてある。そもそも14年一緒にいたんだ。わかるよ。」

やっぱり、私の気持ちも気づいてたんだ…
隠すことも出来ず、どうしようも出来ないこの気持ちが田邉さんを傷つけているんだよね…
勝手に涙が溢れてくる。

「こっちの香織は泣き虫だよな。俺は絶対泣かせない。あっ、でも今頃あっちの香織も泣いてるのかもな。」

そんな事をぼやきながら優しく私の手を握った。
田邉さんの気持ちに応えられない罪悪感でいっぱいになり、私はまた抵抗しなかった。

「香織本当に痩せたよな。初めて会ったときは丸くて驚いたけど、旦那と上手くいってないんだろう?少なくとも俺は周りに先輩みたいないい男がいても目移りしないくらいに香織を愛する自信がある。」
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