運命の恋~もしもあの時・・~
28
『えっ?病院に行かなくていい?』

「はい…田邉さんは横になれればいいって…汗までかきだして…フラフラなので…もしよくならなさそうならすぐに病院へ行きますね。」

『わかった…俺今手が放せなくて…2人きりで田邉の家に行かせたくないけど、何かあれば殴ってでも逃て…田邉のことよろしく。』

「はい。また何かあれば電話します。忙しいところごめんなさい。じゃあ、また。」

電話を切って田邉さんを見てみると私の肩にもたれて目をつむっている。
相変わらず顔色が悪い…
田邉さんのマンションに着く頃には汗で襟元はぐっしょり濡れていた。

「田邉さん、着いたけど歩ける?やっぱりこのまま病院行こうか?」

「いや、本当にいい。歩くから。」

見る限り大丈夫じゃなさそうなのに必死で私に支えられて部屋まで歩いた。

「悪かったな。もう大丈夫だから。」

「えっ?いや、見るからに大丈夫じゃないよ…。もうっ!いつもはグイグイくるくせに!大人しく介抱されなさい!」
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