運命の恋~もしもあの時・・~
「千秋、最後に話したとき俺に女性と結婚して子供のいる幸せを選ぶ権利があるって言っただろう?俺は別の世界で女性と結婚してたんだ。でも子供は居なかったよ。でも仲良く幸せに暮らしてた。それならあえて女性に拘らずに自分が心から愛している千秋と一緒に幸せになりたい。」

千秋の手を握ると小さく震えてる
ポケットから箱を取り出し千秋に捧げる。

「千秋、俺と家族になって下さい。籍は無理かもしれないけど一緒に暮らそう。」

真っ直ぐ千秋を見上げる
千秋の目からは止まることなく涙が流れている。

「はい、俺も弘人と家族になりたい。」

千秋の左手薬指に指輪をはめる。
ちゃんとサイズは確認して注文したはずなのに痩せてしまった千秋の指には少し大きかった。
その手を見て辛い思いをさせてしまったことに堪らなくなり涙が込み上げてくる。
立ち上がりお互いの存在を確かめるように力いっぱい抱きしめ合う。
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