運命の恋~もしもあの時・・~
「だから心配しなくていいんだ。俺たちの結婚。何も不安になることなんてなかったんだ。そりゃ、香織の子は可愛かったけど俺の子じゃなかったし…旦那ともうまくはいってなかったよ。それに子供はいないけど俺たちはケンカしてもすぐに仲直りできるし、お互いを思いやれるいい夫婦だと思う。俺は幸せだよ。」

香織の目からはまた涙が溢れだした。
涙を指で拭ってやり、軽くキスをする。

「俺には香織しかいない。今回のことで本当にそう気づいたんだ。香織、俺を選んでくれてありがとう。これからも一緒に幸せになろう。」

「うん。私も、選んでくれてありがとう。」

しばらくお互いの存在を確かめるように抱きしめ合った。

「パラレルワールド…本当に存在するんだね!じゃああっちでは私たちって会ったことなかったの?」

それからあっちでの出来事を香織に話して聞かせた。
不安は残る。またどのタイミングでどこに飛ばされるか…
でも何のイタズラか戻れたんだ。
今この瞬間を大切に全力で香織と幸せになろう。

「そうだ、先輩や夏川にも迷惑かけたよな…。早く会いに行ってこの話をしよう。先輩には聞きたいこともあるし!」
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