運命の恋~もしもあの時・・~
「香織ちゃん顔色悪くない?大丈夫?」

稗田さんは心配そうに私の顔を覗き込む。
必死で笑顔をつくるけどひきつる。

「そうなんですよ~、無理に私が誘ったから体調悪いのに来てくれて。」

とっさに有希がフォローしてくれる。

「それは大変。気分悪いなら車で送っていくよ?」

「いえ、大したことないので自分で帰れます。お気遣いありがとうございます。」

稗田さんに会釈し、お店を出る。

「タクシー拾おうか?送ってく。私がこんな話したから…」

有希はいつも優しく、面倒見がよい。
私の旦那の事なのに責任を感じているようだった。

「大丈夫だよ。ありがとう、話もしてくれて。私全然気づいてなくて…」

早くひとりになりたくてその場で有希とはわかれ、バスに乗り込んだ。
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