運命の恋~もしもあの時・・~
涙が次から次に流れ出てくる。
泣きたくないのに…

「その子のこと本気だったの?」

勇気を出して顔を上げて目を見て聞いた。
困った顔をしている…
あぁそうか、遊びでこんなこと出来る人じゃないもんね。
少なくとも彼女のことはきっと好きなんだろう…

「可愛いくてたまらなかった。彼女のことは支えてあげたいと思って会っていたのにいつの間にか自分も癒されてたんだと思う。」

ハッキリ聞くとしんどいな…
吐きそう。吐く物なんてないのに…
たまらずトイレに駆け込む。

さっき吐ききってから何も口にしてなかったから当然何も出てこず苦い液が少し上がってくるだけだった…

後ろで旦那がオロオロしている気配がある。
でも気遣ってあげるだけの余裕も優しさも私にはなく、困ってしまえばいいとさえ思っていた。
そんな自分が醜くて嫌だ。
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