運命の恋~もしもあの時・・~
「バレたから?私にバレちゃったから終わりにするの?じゃあバレなかったら続けてたの?その彼女にとってあなたは遊びだったの?」

私の中で抑えて出さないようにしていたドロドロしたものは一度溢れ出してしまうと自分でももう抑えることはできず次から次へと溢れだしてきた。

「ごめん…本当にごめん…浅はかな考えで身勝手な行動をして家族も、彼女も傷つけてしまった…」

彼女も…
その子は被害者なの?加害者じゃなくて?
彼の手がこちらに伸びてくる。
触られたくもないのに力が出ず身体が動かない。
そして私の顔に触れ涙を拭う。
私は睨みつけることしかできなかった。
彼はゆっくりと私を抱きしめた。

「いや、離して…」

かすかに顔を横に振るも何故抵抗できないのだろう…
旦那の匂いがした。
そういえば最後にこんな風に抱きしめられたのはどのくらい前だったかな?

「私に触らないで、顔も見たくないの。」

「ごめん…本当にごめん…。」

彼は離してくれず更に力強く私を抱きしめた。
こうやって彼女のことも抱きしめたんだろうなって思うと嫌悪感しか湧いてこなかった。
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