運命の恋~もしもあの時・・~
「続いてはいません。奥様に知られてしまったからもう続けられないとふられました。」

必死に弁解する姿が憎くてたまらなかった。
これ以上彼女と同じ空間にいることが堪らなく嫌だった…

「本当に申し訳ありませんでした。」

目の前で深々と頭をさげる彼女を見ていても憎悪感しか湧かなかった。

「謝ってもなかったことには出来ないのよ。本当にひどい人…あなたも、あの人も…」

その時、私のスマホに旦那から着信があった。

「はい。」
私は出来るだけ冷静を装って電話に出る。

『あ、あの、僕だけど…三浦さんから連絡もらってて香織に会うって書いてあったから…。』

きっと彼女を心配してかけてきたんだろうな…

「なぜ本人に連絡しないの?私がいじめてると思った?安心してもう帰っていただくから。仕事中でしょ?心配しなくても危害を加えるつもりはないから。あっ、それか変わろうか?」

『いや、ごめん…香織が大丈夫か心配なだけだったから…出来るだけ早く帰る。また夜に。』
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