目覚めたら契約花嫁
そんな疑問が湧く。

私の心が警笛を鳴らす。


「リンさん?」


心配顔の彼女達に笑みを浮かべて見せた。


「ごめんね、少し話を聞いてくる。新商品のお菓子を宜しくね。」


ちゃっかり宣伝も。

そんな彼女達と別れ、目の前の男性と向き合う。


「話は此処で?」

「ええ。」


近くには誰もいない海辺。

視野も開けていて危険はない筈。

吹き抜ける強い風が私の髪を靡かせる。


「レアードさんとは本当に婚約をされてますよね?」

「ええ。」


今更?

マスコミの前でも婚約者だと言っているのに?


「昨日は2人で?」

「ええ。」

「言い忘れましたが、私が追いかけているのはレアードさんではありません。」


ロイではない?

でも夜中に見かけたと言っていた。
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