目覚めたら契約花嫁
売名行為?

ロイで?

エミリーの醜い心がロイによって曝け出されていく。


「証拠なんてない。人の心なんて、他人には理解できない。」

「なんでロイで売名行為が?レアード家の当主だから?」


疑問が口から出ていた。

そんな呟きも静かなプールでは響き渡るようで………


「婚約者は本当に何も知らないのね。」

「………。」

「レアード家のネームバリューもあるけど、ロイの実業家としての知名度も高いのよ。」

「えっ?そうなの?ロイって、そんなに有名なの?」


振り返ったロイの視線と交わる。


「リンは興味ないようだけど、世間では俺もリンも有名なんだ。」

「私も?」

「ヒット商品の生みの親。エバンズ夫人に変わる新生実業家になるだろうって。」

「実業家?まさか………。」

「リンはそう世間では言われてるんだ。」

「嘘でしょ………。」


そんな風に呼ばれてるなんて思ってなかった。

毎日が忙しくて、世間の情報が乏しかったらしい。
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