目覚めたら契約花嫁
エミリーが唇を噛み締める姿が見えた。

悔しさが滲み出ている。


「エミリーの幸せって何だ?女優で成功することか?もっともっと有名になることか?」

「私の幸せ?そんなのは誰もが憧れる生活することよ。当たり前でしょ。皆んなが思ってる事よ。」


誰もが憧れる生活?

それがロイとの生活?

それが幸せ?

エミリーの幸せが理解できない。

そんな事が幸せなの?


「婚約者の貴女も、誰もが憧れる生活だからロイと結婚するんでしょ?」

「リンは違う。俺が一緒にいたくて頼んだんだ。」

「ロイが?一人の女性だけで我慢できるなんて考えられないわ。」


クスクスと笑うエミリーは確実にロイを馬鹿にしている。

過去のロイは知らない。

でも今のロイは違う。


「私の幸せはロイと一緒に過ごせる日々。この先もずっと一緒過ごせる事が幸せなんだと思う。」

「それはロイが何でも手に入れられる人だからでしょ?もし、ロイが何も与えられない人なら違うでしょ?」
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