目覚めたら契約花嫁
何でも与えられる人だから?

あの日、私を助けてくれた人が偶々レアード家の当主だったから?

何でも与えられてるから幸せなの?


「リンは違う。別に俺はリンに何かを与えてるつもりはない。」

「そうかしら?こんなに有名になれたのはロイのお陰でしょ?」


黙り込んだ私に変わってロイが話を始めた。

そんなロイにエミリーも引き下がりはしない。


「リンがやりたいと思った事をやらせた結果だ。俺は口を出したりしてないし、サポートだってしてない。」

「あー、それは同意見です。リンさん、それにエバンズ夫人の力だと俺も思います。」

「俺は………本当なら家に囲っておきたいって思ってた。だけど………リンは俺に口答えをするような女だったってだけだ。」


出逢った頃を思い出しているのか………ロイがくすりと笑ったのが分かった。


「そんなリンが俺にとって唯一の女になった理由の一つだな。」


そうなんだ………


ロイの気持ちがまた一つ分かった。
< 134 / 146 >

この作品をシェア

pagetop