目覚めたら契約花嫁
「リン!」


ロイの叫び声に振り返った。


「リン!ホテルに戻るぞ!スコールだ。」


ロイの叫び声にユートを見上げる。

交わる視線に迷いはないようだ。


「ユート?」

「リン、奇跡を信じてて。明日の朝、ここに来て欲しい。」

「ここに?」

「俺と会えるか会えないか。約束だよ、リン。」

「ユート。」


明日の朝、ここでユートに会えたら失敗。

万が一、ユートに会えなかったら………奇跡が起きてる?


「リン!」


ロイの叫び声に我に返った。

ユートが歩き出した後を追い掛ける。


「ユート。」

「リン、レアードさんの元へ。」


スコールが始まった。

激しい雨が降る。

遠くで雷が鳴る音が聞こえる。


「リン、早く。」


ロイの手が私を繋ぐ。

ずぶ濡れの私達はホテルに向かって走る。
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