目覚めたら契約花嫁
「リン、お互いの利害が一致してるように思わないか?」

「確かに、ロイには助けられた。でも愛のない結婚なんて寂しい気がする。」


思っていた事を口にした。

そんな私の言葉にロイはフッと笑った。


「愛か………。リン、君は俺を愛してくれるか?」

「………。」

「契約を解除したいか?私は別に構わないが?」


ロイは私が断らないと知っている。

行く当てもない私が断らないと知っている。


「リン、どうする?今なら間に合う。でも契約するなら、結婚の準備は進めていく。」

「………。」

「リン?」

「一つ約束して。」

「何だ?」


私は一呼吸置いた。

そしてゆっくりと口を開いた。


「私を愛する努力をして欲しい。勿論、私もロイ、貴方を愛する努力はします。」

「………愛する努力。」

「そう、愛する努力。」

「……わかった。リンも俺を愛する努力を。」

「私はするわ。だって………結婚はやっぱり愛が欲しいから。」


ロイの視線と交わり、私の心の中を読もうとしているようだった。
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