目覚めたら契約花嫁
コンコン。

ノックされたドアに、盛り上がっていた会話が切れた。


「オーナー、レアード様がお見えですが。」

「レアード様が?通して。」

「はい。」


レアード様って………。

嫌な予感がしてきた。

ミシェルが立ち上がり、ドアへと近づくのを見つめた。

ドアから入ってきたのはロイ、それにダヴィだった。

ロイと目が合う。

瞳の奥が怒っているのが分かった。


「これはレアード様。今日はどうされましたか?」

「私の婚約者を迎えに。大変ご迷惑をお掛けしました。」

「婚約者?」


ミシェルの視線が私へと向けられる。

私しかいないか。


「リン、帰るから用意を。」


威圧的な雰囲気を纏ったロイと対峙するように私は立った。
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