目覚めたら契約花嫁
「ロイ、仕事を決めた。」

「まさか………ここで?」

「そうよ。このカフェで働く。」


沈黙が流れる。


「リン、立場を理解してるのか?俺の婚約者だって事を。」


俺………。

普段は聞かれない口調。

相当、怒らせている?


「リン、偶然ダヴィに連れてこられただけのカフェじゃないのか?短絡過ぎだな。」

「偶然?違う運命だったのよ、このカフェと私が出会うのは。」

「運命?」


一つ大きく深呼吸をし、ロイの目を見据えた。


「私を黒猫のようだと言ったの覚えてる?」

「………ああ、それで?偶然に過ぎない。」

「偶然と運命は紙一重よ。ロイが私を見つけてくれたように。」

「………。」

「私は黒猫でしょ?」


悪戯な笑みを浮かべて見せた。
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