目覚めたら契約花嫁
広報へと資料を届ける。

視線が集まっているのは慣れた。


「CEOからです。」

「ありがとう、リン。」


優しそうなダンディな男性がお礼を述べた。


「そういえば、CEOから聞いた?リンをイメージガールにすると言っていたが。」

「いえ、聞いておりません。」

「そうか、まだ先の話だし。悪いね、フライングした。」

「いえ。では失礼します。」


軽く会釈をして広報を後にする。

ミシェルは何を?

イメージガールに?


「あり得ないし。」


普通だ。

誰から見ても普通なのに。

いや、普通じゃないか。


「ふぅ〜。」


廊下を歩けば、すれ違う人の視線が気になる。

珍しい容姿なのは認める。

でもモデルになれる程、スタイルも顔も何もかもが普通だ。
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