目覚めたら契約花嫁
車の後部座席にロイと並んで座ったが、顔を見るのが恥ずかしい。


「ははっ、意外に可愛いな。」

「………。」


ロイはクスクスと上機嫌のようだ。


「慣れてないだけ。」

「へぇー。」

「ロイは慣れてそうで。」

「………。」


今度はロイが無言になる。


「そうだな。でも………リンが初めてだ。」

「えっ?」


小さく囁かれたロイの言葉に耳を疑う。

何が初めて?

頭の中は疑問しか浮かばない。

私の頭を軽く撫でるロイの手に視線を上げた。


「そういう事だ。」

「えっ?」


何が?

意味不明のロイに怪訝な顔を向けた。


「ロイ様、リン様、到着します。」


ダヴィの言葉に、初めてミシェルの家に訪れた。
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